開催日・会場
令和7年6月21日(土) 13:30~15:30 諏訪市 いきいき元気館
活動報告
諏岡支部令和7年度支部研修会を行った。
栄養士会会員39名、食生活改善推進委員1名の40名が参加した。
講演「子どもの成長と食事」
講師 諏訪中央病院 小児科 武井 義親 先生
小児科的・最近の知見も踏まえて 神経管閉鎖障害、くる病、授乳・離乳の支援ガイド、食物アレルギー 発達障害の偏食について、小児肥満(DOHaD)など盛りだくさんの 内容でお話しいただきました。
日本における神経管閉鎖障害の発生は、他の先進国と比較して増加傾向にあ る。罹患リスク因子には妊娠前からの母体の葉酸不足や喫煙などがあり、特に母体 の葉酸不足に注目されている。 また近年日焼け止めや日光照射時間が短いことによるビタミンD不足が問題に なっている。離乳・授乳支援ガイドにもあるように、母乳育児では生後6か月頃から 不足する栄養素でもある。ビタミンD生成・紅斑紫外線線量情報を参考に場所、時 間、天気から適切な量のビタミンDを体内で生成するために推奨される日光照射時 間が分かるサイトが紹介された。
胎児期、乳幼児期の環境因子が、成長後の健康や様々な疾患の発症リスクに影響 を及ぼすDOHaD説(成人病胎児期発症起源説)については、大変興味深かった。 児が小さく産まれることで下記のような疾患のリスクがある。
1) 心臓循環器系疾患
2) Ⅱ型糖尿病
3) 腎臓疾患
4) メタボリック症候群、脂質異常症
5) 慢性閉塞性肺疾患
6) 骨粗鬆症
7) 精神神経発達
8) 初経、閉経の早期化 など
私たち栄養士は、妊娠期から老人期まで食を通して人の生涯に関わっている。 胎児期や生まれてからの発達過程での環境因子が将来の病気リスクと関係があり、 この時期からの食育や生育環境の整備で疾病リスクを減らすことができる可能性を 知った。 武井先生の講演を、今後の業務に生かしていきたい。